2014年12月6日土曜日

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日刊ゲンダイ
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菅原文太さんが残した“遺言” 「日本はいま危うい局面にある」
2014年12月1日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/155392

▼全文転載



【連載「注目の人直撃インタビュー」2013年8月29日号より】

 集団的自衛権を巡る憲法解釈の見直しや自衛隊の海兵隊化――と、参
院選後の安倍首相は露骨に右傾化を強めている。そうしたきな臭い状況
に危機感を抱くのが元俳優の菅原文太さんだ。この夏80歳を迎えた老
優は日本の何を危惧しているのか――。

■「今の日本は真珠湾攻撃をした時と大差ない」

毎年8月になると太平洋戦争を思い出します。日本が戦争に負けた昭和
20(1945)年当時、私は小学6年生で、宮城県栗原郡(現・栗原市)
の小さな村に住んでいました。

 敗戦が近づいた頃のこと、仙台の街がB29の空襲を受けましてね。家
の屋根に上ってかなたを見ると、夕暮れの薄暗がりの中で爆撃機がパラパ
ラと焼夷弾を落とし、一面に炎が立ち上る光景が見えました。仙台とは1
00キロも離れているのに、無数の爆弾がまるで七夕の銀色の短冊のよう
にキラキラ光り、街全体を炎で赤く染めていたのをよく覚えています。

 空襲は受けたけど、怖いとは思いませんでした。都会から離れたところに
住んでいたこともありますが、大人の話を聞いて日本は勝つと信じていたか
らです。敵艦を何隻轟沈したという発表が幾度もあり、大人たちが「日本は
勝ってる」と言うものだから、子供心に「日本は強いんだ」と信じていたん
です。

 ところが8月15日になり、いきなり玉音放送で「負けました」となった。
ガーガーと雑音を発する祖母のラジオを叩きながら天皇のお言葉を聞いて、
本当にびっくりしました。あとで聞いたら、大本営のウソの発表を疑問視す
る人たちもいたとか。「こんな戦争負けるよ」と言いたいけど、警察が怖く
て言えない状況だったんですね。

 だけど、考えてみると敗戦の兆しはあったんです。私の村でも出征のたす
きを掛けた若者が「行ってまいります」と戦地に出かけ、その多くが命を失
いました。現代では考えられないことですが、私も大人も、死に対する感覚
が麻痺し、「戦争なんだから死ぬのは当たり前」というような錯覚に陥って
いた気がします。

 私の父の弟は37歳でルソン島に派兵されたのを最後に、いまもって行方が
分かっていません。戦死扱いとされていますが、どんな死に方をしたのか遺族
も知らされていないのです。父の兄は外地から復員するも、戦地で患ったマラ
リア熱が完治できず、死ぬまで発作に苦しみました。

 私の父は中支(中国)で軍事物資を運ぶ輜重隊の隊長を務めたのち生還しま
したが、戦争については一言も話しませんでした。あの時代、沈黙を通した人
は父だけではありません。みんな、悲惨な現実を語りたくなかったのでしょう。

 国外のあちこちで日本軍は米軍に押しまくられ、「救援を送れ」と要請して
も兵隊は来ない。兵士は軍と国に見殺しにされ、昭和18年ごろからはアッツ
島を皮切りに兵士の玉砕が繰り返されました。沖縄では兵隊のほかに大勢の民
間人が巻き添えになりました。それなのに、軍隊のある参謀などは玉砕が怖い
ので「本土に用事があるから」と口実をもうけて沖縄を離れました。命惜しさ
のあまり部下と民間人を置き去りにして逃げたのだから、あきれた話です。


 言い出したらきりがありませんが、すべては当時のリーダーたちが無謀な開戦
に突っ走った結果です。

 しかし現実の日本はどうでしょうか。私の目には、日本はいま非常に危うい局
面にあるように見えます。

 安倍政権は内閣法制局長官を交代させてまでして集団的自衛権の解釈の見直し
をはかり、憲法を改定して自衛隊を国防軍にしようとしています。平和憲法によ
って国民の生命を守ってきた日本はいま、道を誤るかどうかの瀬戸際にあるので
す。真珠湾攻撃に猛進したころと大差ありません。


 その結果、自衛隊は本物の軍隊になり、米国が始めた戦争にいや応なく巻き込
まれてしまいます。しかも米国は日本を自分の属国と見ているのだから始末が悪
い。「俺たちに逆らったら、締め上げるぞ」と恫喝されたら最後、日本は逃げら
れなくなります。こうした数多くの悪要因の中で、日本が世界に誇る平和憲法が
骨抜きにされ、戦争に突き進んでしまいかねないのです。

「まさかそこまで?」と笑われるかもしれませんが、いまの自民党は「ナチスに
学べ」というバカな発言をした副総理を更迭できないほど自浄作用を失っていま
す。実に恐ろしい状態です。

 改憲派の政治家はよくこう言って現行憲法を否定します。

「いまの憲法は戦後、GHQに与えられたものだ。なぜ、進駐軍にもらった憲法
を守らなければならないのか。そろそろ自分たちの憲法を持つべきだ」

 いつの時代も為政者は国民を言葉たくみに誘導します。問題になっている沖縄
の基地の件だって、彼らに利用されかねません。「沖縄に米軍は要らない」とい
う国民の言葉を逆手にとって、政府が「米軍がいなくても大丈夫。自衛隊が国防
軍になり、海兵隊の役割を果たしてくれるから安心してください」と言えば、国
民はコロリとだまされ、国防軍化を許してしまうかもしれないのです。


 この認識は正しいとはいえません。知り合いの学者に聞いた話ですが、いまの憲
法は、日本人が作成した草案を参考にして作られたそうです。社会統計学者で社会
運動家だった高野岩三郎や法学者の鈴木安蔵らの「憲法研究会」が、敗戦の年に発
表した「憲法草案綱領」がそれです。

 この草案には「主権在民」や「基本的人権」という民主的な概念が盛り込まれて
いました。GHQのある将校は非常に優れた憲法草案だと高く評価し、新憲法作成
の下敷きにしました。

 いま大切なのは、われわれ国民が政府のデマゴギーにそそのかされず、自分で考
えることでしょう。書物や新聞を読み、多くの人の話を聞いて、平和を維持するた
めに自分は何をするべきかを模索する。熟慮の末に真実を知れば、戦後ひとりの戦
死者も出していない憲法9条がいかに素晴らしいものであるかが分かるはずです。


 戦前のようにタカ派政治家たちの言葉に踊らされてはいけません。

▽すがわら・ぶんた 1933年8月16日生まれ、宮城県出身。早大第二法学部進
学後、モデルや「劇団四季」の団員を経て、58年「白線秘密地帯」(新東宝)で本
格映画デビュー。73年に始まった「仁義なき戦い」シリーズの広能昌三役で人気を
不動のものとし、「トラック野郎」など数多くのヒット作に主演。昨年11月、国民
運動グループ「いのちの党」を結成すると同時に芸能界からの引退を宣言。講演活動
などに精力的に取り組んでいる。
▲転載終わり

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2014年1月5日日曜日

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YAHOO! NEWS
「タラタラ歩き」がうつ、疲れ、肌荒れ、加齢臭を吹き飛ばす理由

@DIME 1月4日(土)12時38分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140104-00010001-dime-soci

男性の悩みを解消し、細胞レベルで体を若々しく保つ究極のテクニックとは?著書『体温を上げると健康になる』が70万部を超えるベストセラーとなった、腫瘍内科・感染症を専門とする齋藤真嗣医師に話を伺った。


 最近体型が崩れてきた、疲れやすい、加齢臭が気になる、抑うつ症状がみられる40代の男性が増えてきています。その原因のひとつとして、あなたの正常細 胞のミトコンドリアの機能が低下しているためだと考えられます。ミトコンドリアというと遺伝子やDNAだと、誤った理解をなされている方が多くいらっしゃ います。これは、生物のほぼすべての細胞に存在する「細胞小器官」です。

 私たちの体は運動するにも呼吸するにも、食べ物を消化吸収するのにもエネルギーを使います。そのエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という物質で す。体のエネルギー通貨のようなものです。ミトコンドリアは、このATP生産工場です。しかし、このATPを溜めておくことはできません。必要な時に、必 要な量だけ生産されるのです。効率的にATPが作られれば、体は若々しく、健康で長生きできるわけです。

 成人の体には約60兆個の細胞があります。ミトコンドリアは、そのひとつひとつの細胞に数百個から数千個存在します。まさに天文学的数字です。ヒトの体 は細胞の集合体であることを考えると、ミトコンドリアが健康であることが、健康な体であるための必要条件といえるでしょう。

◎代謝水は加齢とともに減少していく

 ミトコンドリアはATPのほかに、もうひとつ重要なものを作ります。「代謝水」です。この代謝水は、ただの水ではありません。細胞が作り出す水です。ヒトは何歳の時に代謝水が一番作られていると思いますか? 実は、赤ちゃんの時です。

 赤ちゃんの肌は潤って弾力がありますよね。しかし、加齢とともに代謝水は減少し、60歳になると赤ちゃんの時と比べて約50%になります。加齢とともに 皮膚の弾力性が低下するのは、まさにこの代謝水を作り出す能力が、加齢とともに低下するのが原因ということになります。この代謝水がミトコンドリアで作ら れていることを考えると、いかにミトコンドリアの機能を上げることが大切かおわかりいただけるかと思います。見た目が若々しい人というのは、ミトコンドリ ア機能が高い人なのです。

 基礎代謝という言葉をご存じですか? 基礎代謝が高い人ほど太りにくい、基礎代謝が低い人ほど太りやすいことを意味します。実は、この基礎代謝は、代謝水を作り出す能力のことをいいます。なるほど、基礎代謝≒ミトコンドリア機能を反映しているといえます。

◎筋肉を増やすほど基礎代謝が上がる

 ミトコンドリアの機能を上げることが、まさに細胞レベルで体を若々しく保つ、究極のアンチエイジングだといえます。では、どのようにして上げたらいいの でしょうか?ミトコンドリアが多く存在するのは、心臓、脳、筋肉です。心臓と脳細胞は増やすのが難しい。しかし筋肉は増やすことができます。

 最も効果的な方法は運動です。「運動は体にいい」といわれる理由は、実はミトコンドリア機能がアップすることなのです。筋肉は、一般的に30歳を過ぎると年1%の割合で減少していきます。

 では、どのようにして効率的に筋肉を増やしたらいいでしょうか。何もジムに通う必要はありません。運動の基本は有酸素運動ですから、毎日のウオーキングで十分です。目安は1日トータルで9000歩。それもなるべくタラタラ歩くこと。犬の散歩ペースがベストです。

 ウオーキングの前に、軽い筋トレ(レジスタンストレーニング)を入れるとさらに効果的です。大きな筋肉(腹筋、背筋、大胸筋など)を鍛えるとより効果的 です。ポイントは「ちょっとキツイな」と思う程度の負荷をかけて行なうことです。これによって成長ホルモンが分泌されるからです。その後3時間以内にウ オーキングを行なうと、さらに効率的に脂肪燃焼率が高まるのです。

 このように、筋肉量が増えると、(1)ミトコンドリア数が増え、ATPが効率的に作られ、疲れにくくなります。(2)基礎代謝が上がり、太りにくくなります。さらに代謝水が増え、肌の保湿力、弾性力が上がります。(3)男性ホルモンの分泌量が増えます。

 男性ホルモンは30歳を境に、1年に1%ずつ減少していきます。実は筋肉量と男性ホルモン量は比例します。運動しないで筋肉がどんどん落ちていけば、男 性ホルモンの減少率も高くなるのです。男性の更年期は、精神症状が主体で、見過ごされやすいのが問題です。男性更年期の症状を軽減するためにも筋肉量を増 やす、1日9000歩のタラタラ歩きをぜひ実践してほしいと思います。

◆齋藤真嗣医師(さいとう・まさし)
1972年生まれ。ニューヨーク州医師。専門は、腫瘍内科・感染症。著書に70万部超の『体温を上げると健康になる』。毎月~金5:55~6:00、TOKYO FM『明日に架ける橋~健康スイッチ~』に出演中。


★ミトコンドリアを巡る4つのクエスチョン

[Q] 年齢に関係なく増やせる?
[A] うれしいことに、年齢に関係なく増やすことができます。体内でエネルギーを作る能力を増やし、細胞の老化を防ぐことができます。

[Q] タラタラ歩き以外に効果的な方法は?
[A] 1分間、集中して背筋を伸ばした姿勢をとることも効果があります。美しい姿勢は見た目も若々しくなりますよ。

[Q] どうやってエネルギーを作り出す?
[A] 簡単に言えば、食事によっていったん、ミトコンドリアに蓄えられた栄養素が、酸素と電気反応を起こして生み出しています。

[Q] 1日9000歩って、難しそう……。
[A] 朝は駅から会社まで少し遠回り。昼は遠出してランチ。夜は1駅手前で降りて帰宅。生活にウオーキングを分散・拡張させましょう。
DIME編集部